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作者:白雲
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【土曜日】
――勉強部屋――
 バイクのエンジン音が轟き、窓ガラスが激しく振動する。差し込んだヘッドライトは、暗い室内をぐるりと移動して、刹那、天井の大きな染みを照らし出した。
 浅倉南は、あんな所に染みがあっただろうか、とぼんやりと考える。そして、二十年弱使い続けていて、こうやって床に寝転んで、天井を見上げたことがないことに思い至った。
「入れたい」
「ダメ」
 太腿を小脇に抱えた男が呟く。それに強い口調で拒絶の意志を告げる。仕方なく幼馴染は、固くなった男根を秘裂に添えて、上下に擦り付け始めた。
「絶対入れちゃダメだよ……」
「うん、うっ……」
 肉の裂け目が男根の先端を濡らす。その感触は、心地よく温かく、そして、何処までも柔らかい。人体にこのような神秘があることに感嘆しながら、経験したことのない快楽に下半身がぶるぶると震えて、思わず声をもらしてしまった。
「ううっ! はぁ……」
 恥毛の上に欲望を吐き出して、その裸体の横に突っ伏す。
 如何せん二人は仲の良過ぎた。
 互いにセックスを意識した事前行為がどうしてもできない。セックスを意識していると思われるだけで死にたいほど気恥ずかしい。
 清廉潔白の表情でデートをして、穢れのない口付をかわして別れる。ホテルへ行こうなどと面と向かって誘えないし、コンドームを買っておくなど以ての外。
 暗闇の中で、事故のように事が始まっても、浅倉南の口から出てくるのは拒絶の言葉ばかりである。
「恥ずかしいからやめて、もうー、いやらしんだから」
 処女面で愛撫を卑しみ、挿入されることも嫌がって見せる。
 一方で、幼馴染の男も、妄想で膨れ上がった頭とは裏腹に、格好付けて、欲望を爆発させることができない。否、それだけではなく、無意識に、童貞のまま死んだ双子の弟への遠慮もあるのかもしれない……。
 浅倉南は腕で胸を隠しながらゆっくりと上体を起こす。
「……」
 幼稚園児ぐらいの視線の高さで見たプレハブの勉強部屋は、壁紙のつなぎ目がうっすらと浮かび、机や椅子は塗装が剥がれ落ちて錆び、カーペットには飲み物を零した跡が点々と残っている。
 この部屋の傷みが、自分たちの時の流れをしみじみと実感させた。
 幼馴染の上杉達也は、系列の大学へ内部進学することが決まっている。浅倉南自身も、女子体育大への推薦があれよあれよという間に決まってしまった。余りの呆気なさに、拍子抜けもいいところである。
「あ、あった」
 床に落ちているキャミソールを拾い、下腹部を拭こうとする。
「染みなるからやめな」
「そうなの?」
「……ああ」
 上杉達也は素っ気なく頷いて、そっぽを向く。
「よいしょ」
 浅倉南は立ち上がって、机の上のティッシュに手を伸ばした。ふと見た机の上には薄く埃がかぶっていて、最近使っていないと思い知る。
「……」
 無言で、椅子に掛けられたシャツを羽織り、スカートを穿く。それから、キョロキョロと大きな瞳を動かして探し、椅子の影に丸まっていたパンティーを見つける。スカートの裾から長く白い脚を垣間見せて、ピーンと美しく伸びた足先を通していく。
「もう行くのか?」
「うん。明日早いから自分の部屋でゆっくり眠るわ」
「そうだな」
 上杉達也は床に顔を伏せたまま、低い声で喋る。その姿は調度月の光の影になっていて、よく見ない。
「じゃね」
 浅倉南は髪を直しながら扉へと歩を進める。
「南」
 上杉達也が呼び止める。
「うん?」
「ごめんな」
「本当にそうよ、反省してね」
「ああ」
「素直だから許してあげる。じゃね、ばいばい」
 浅倉南はいつものと変わらない優しい言葉を残して、部屋を出た。
 雪でも降るのではないかと思うほどに夜風が冷たく、月が妖しいほど映えている。
「はぁ……」
 ため息が白く濁った。
 このプレハブは、子供の遊び部屋から勉強部屋を経て、セックス部屋になると思われたが……。
 黒い雲が流れてきて月を隠す。
 浅倉南は、急に暗くなった中庭をサンダルで駆けていく。
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