02. 見た目は普通以下
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放課後由紀夫は、担任の教師にどこかのクラブに入部すればいいといわれたので、そこらの活動中のクラブを見て回ることにした。
やはり気になるサッカー部から。
部員は練習中のようだ、それを見守ってるのが多分おそらくマネージャーだろう。
「こんにちわ」
マネージャーらしき女の子に声をかけた。
「こんにちわ^^」
と笑顔で挨拶された。
(なるほど、この子が詩織ちゃんの幼馴染をスカウトしたんだな、爽やかな感じで好感が持てるなあ)
「あなたが噂の転校生かな?」
「噂か何だか知らないけど、今日転校してきた栢木由紀夫ですどうもです」
「で、どこのクラブに入部しようか迷ってるのね」
「まそうですが、まだ決めてません、理想は帰宅部」
「うふっ帰宅部ね、」
「ところでさ、高見ってどの子かな?」
「ん?高見君ねほらあそこ」
と指をさして教えてくれた。
「高見君は才能があるのよ、それにすごく頑張ってる、頑張る人は応援したくなっちゃうの」
「うんうん」
由紀夫はその高見を見て
(負けた、超イケメン運動神経もよさそうだし、勝ち目ないなあ、でももう藤崎詩織ちゃんとはなんもないからチャンス)
「私サッカー部のマネージャーやってる虹野沙希」
虹野さんは由紀夫に話はしてくれるが、視線の先は高見のほうしか見ていない。
「虹野さんは、もう何人もスカウトしてるの?」
「違うよ、スカウトしたのは高見君だけよ」
「じゃ他のクラブも見たいから・・・」
「ウンそれじゃまたね、見学ならいつ来てもいいよ」
さすがに由紀夫をスカウトする素振りも見せなかった。
そりゃそうだろう、どう見ても運動音痴っぽいし、顔だって並以下、背丈も男としては低いほうだし、卒業するまで彼女一人もできないのではと本気で思った。
詩織ちゃんは確かテニス部だと早乙女ワルオが教えてくれたので、もう他を見ないで帰ろうかと思ったけど、テニス部だけでも見て帰ろうと思った。