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クラリオンコール
作者:ブルー
12. それ行け! きらめき探偵団!
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 きらめき探偵団の3人組は、今日もゲーム同好会の部室に集まっていた。
「行方不明になったミコを探してください。もう一週間も家に帰っていません。ちなみにミコは3歳のオスです。なんだ猫探しかよ」
 公人はあきれて紙を投げ捨てた
「こっちは犬だよ」と好雄が紙を渡す。
「俺たちは便利屋じゃないってのに」
「迷子のペット捜索の依頼ばかりね」
「ゴミの不法投棄の犯人を捜してくれってのもあるよ」
「もっと大きな事件はないのかしら」
 詩織は両手を腰に当てた。
 事件解決以来、探偵団のサイトにはきらめき高校の生徒だけでなく街中の人からの依頼が殺到していた。
 そのほとんどが犬や猫などのペット捜索で、他にも浮気調査や冷やかしなど事件性の低いものばかりだった。
 ちなみにサイトは好雄が制作した。
「これはどうかな」
 好雄が依頼書の束をめくる。
「きらめき高校に伝わる七不思議を解明してください、だってさ」
「七不思議?」
「ほら、夜の学校のトイレに誰かいるとか、階段が増えるとか」
「ああー」
「どの学校にもある怪奇譚だよ」
「うちの学校にもあるんだな」と、公人。
「ちょっと面白そうかもしれないわね」
 詩織は依頼書の紙に目を通した。
「あれ、なんだ……この依頼は」
 公人は机の端に一枚だけあった紙を手に取った。
「なになに、15年前に起きた殺人事件の犯人を捕まえてください。犯人は学校の関係者です。--淫魔が来たりて笛を吹くより」
「なあにそれ」
「もしかして、あの事件のことじゃないかな」
 好雄が思い出したように反応した。
「あの事件?」
「ほら、聞いたことない? 昔、きらめき高校であった殺人事件。旧校舎に開かずの教室があるだろ」
「そういえば4階の一番奥に使われてない教室があるわね」
「あそこは音楽室だったんだよ」
「ふーん」
「そこで夏休み直前に女子生徒が刺殺体で発見されたんだよ。いまだに犯人は捕まってないよ」
「それなら俺もサッカー部のOBから聞いたことあるぞ。当時、女子生徒を狙った盗難や暴行事件が連続してて、殺された女子生徒は学校で一番の美少女だったとか」
「私たちの学校でそんな事件があったのね」
「まあ、黒歴史だからね。事件について箝口令が敷かれたらしいよ」
「殺された女子生徒のことを考えたら不憫だわ。どうして犯人は捕まらなかったのかしら」
「警察はもちろん動いたよ。ぶんでんだけど--」
「伝聞ね」
「伝聞だけど現場は密室状態で、関係者のほとんどには犯行時刻のアリバイがあったらしい」
「まるでアガサ・クリスティーの推理小説みたいね。犯人はなんらかのトリックを使って密室状態を作ったのね」
 詩織は腕組みをして考えている。
「ねえ、最近、学校で女子生徒の私物が盗まれてる事件が頻発してるのを知ってる? 私もつい先日ブルマを盗まれたのよ」
「犯人は好雄だろ」
「ち、ちがうよ。犯人扱いするなよ」
「ますます怪しいぞ」
「公人、好雄くんが違うっていってるでしょ。真面目に聞いて」
「ちぇっ」
「でも、ブルマを盗んだ犯人の気持ちもわからないでもないよ。最近の詩織ちゃんってグッと色っぽくなったもん。なあ、公人」
「そういわれてみれば、とくに腰つきが大人っぽくなった気がするな」
「なにかあったの詩織ちゃん?」
「なんかあったのか、詩織?」
 二人が疑いの眼差しを詩織に向ける。
「なによ、急に。二人して」
 詩織はドギマギとした。
 まさかセックスを覚えたせいとは口が裂けても言えるわけがない。
 あれから毎日、放課後には金有に抱かれて種付けセックスをされているのだ。
「私以外にも体操着や制服を盗まれた女子がたくさんいるのよ。沙希ちゃんや魅羅ちゃんや見晴ちゃんも」
 早口にごまかした。
「被害者は男子に人気のある女子生徒ばかりだな」
「15年前と状況が酷似してるね。そのうち暴行事件が起きるかもしれないよ」
 好雄が身振り手振りで説明した。
「ええ……私たちの知らないところで事件はすでに起きてるかもしれないわ」
「女の子は暴行被害を受けても表沙汰にしにくいからな。あるところの調査によると、性犯罪被害者の1%しか警察に被害を訴えないとか」
「よく知ってるわね、公人」
「俺だってたまにはニュースぐらい見るさ」
「これは調査してみる必要がありそうね」
「よーし、俺たちの出番だな」
「きらめき探偵団出動よ!」
 握りしめた拳を突き上げる。
 詩織は晴れ渡った夏の青空のような笑顔で号令した。


 おわり
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