母さんじゃなきゃダメなんだっ!!6~完結編・後編~
意気J●が弱みを握られてオッサンに好き勝手にされちゃうお話
コンビニ少女Z
その頃、彼女はアイツと…
エガオノリユウ
なんでそんなヤツがいいんだよ…
種付け先生の純愛催●キメセク指導
嬲 -Nobly-
ソウルボイス
作者:ブルー
09. スケートデート
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9/12

 昼前に森下さんから連絡が来た。
<<それじゃ、行ってくるわね。
 そこにはキャラメル色のセーターの上にデニムのジャケット、暖色系のチェック柄のスカートを着た森下さんの写真があった。
 部屋で撮ったのだろう。スカートの丈が膝上で思ったより短かった。靴下は普通の白のソックス、髪型はいつものポニーテールだ。
>>その服装で行くの?
<<先輩がデートはどうしてもスカートでっていうから。
>>スケートなんだよね?
<<心配しなくてもコケたりしないわよ。
 昨晩のトークで、スケートに行く予定だと教えてくれた。
 電車に乗った隣町にある屋内スケートリンク場で、地元の高校生たちのデートスポットだ。
 先輩とは駅で待ち合わせをしているらしい。いくら頼まれたからってスカートは警戒しなさすぎだろうと思った。
>>何時ぐらいに帰ってくるの?
<<たぶん夕方には戻れるはずよ。
>>心配だなぁ。
<<ちょっと遊んでくるだけよ。
 森下さんに悪気がないのはわかっている。
 元を正せば転校している俺にも責任はある。
 森下さんとの会話が終わった後、急に手持ちぶさたになった。
 窓の外は秋らしい空が広がっていた。まるで森下さんの横顔のような雲が浮かんでいた。森下さんからの連絡がいつあるかわからないので出かけるわけにもいかない。
 しょうがないのでお湯を沸かしてカップラーメンを作った。
 部屋で動画サイトを見ながらラーメンをすすっていると、木地本に「<<こういうサイトがあるぞ」といわれていたのを思い出した。
 タブレットにアドレスを入力した。
 ブラウザに『青葉台高校・研究所』というページが表示された。
 いわゆる裏サイトだ。
 いまだにそういうのがあるのに驚いた。最近はグループトークが主流になり、誰でも閲覧が可能なホームページは下火になったと思っていた。
 更新履歴を見るとつい最近に作られたサイトのようだ。
 サイドメニューには女子生徒の名前が並んでいた。いずれも男子に人気のある女子生徒ばかりだ。当然、森下さんの名前もあった。名前の横には投稿数を示す数字があって、森下さんがダントツで多かった。
「へー、かすみや波多野の名前もあるじゃん」
 なんとなく懐かしい気持ちになった。かすみは幼なじみの女子で波多野は男女みたいな奴だ。
 ためしに波多野の名前をタップしてみると、制服姿で通学している写真や体操着にヘルメット姿でバットを持ってソフトボールをしている写真、体育館の舞台で演技の練習をしている写真の他に、更衣室で着替えてる写真があった。
「うお。けっこう攻めてるな。バレたら退学だろ」
 波多野は上半身が水色のブラジャー姿でスカートを身につけていた。男っぽい奴ばかりだと思っていたが、こうして見るとあんがい女っぽいなと思った。
 かすみや風間こだちさん、香坂麻衣子先輩、瑞木あゆみ、中里さんのページも似たような感じだった。制服・ブルマ・下着姿のオンパレードだ。
 いまはみんなスマホを持っていて盗撮しやすい環境というのもあるのかもしれない。
 普通裏サイトといえば、特定の生徒や先生の悪口を書き込むことが多いが、このサイトはお気に入りの女子生徒の盗撮画像を貼ってみんなに自慢するサイトのようだ。かなりマニアックといえる。
 俺は森下さんの名前をタップした。
 時系列で写真がずらっと表示された。
 いずれも森下さんのファンが隠し撮りしたのだと思う。
 その中の一枚に、図書室で制服姿の森下さんが本を読んでいる様子の写真があった。たぶん星座の本だ。森下さんは星がとても好きだ。
 写真は椅子に座って机に本を開いている森下さんを正面から撮っているのだが、その隣にはヤリチ先輩が椅子をくっつけるように座っていた。おそらく図書室に森下さんがいるのを見つけて話しかけている場面だ。横を向いて森下さんに盛んに話しかけている。
 机の下では、ヤリチの片手が森下さんの太ももに置かれていた。
「こいつ森下さんの脚をさわってないか」
 偶然かもしれないがいい気はしない。
 相手が先輩なので、森下さんは気づいていないふりをしてるみたいに見えた。
 他にも、部活中にしゃがんで休んでいる森下さんの横にいって先輩が熱心に話しかけているのもあった。
 俺の知らないところで普段から森下さんに積極的にアプローチしていたのがわかる。

 スマホの着信音が鳴った。
 アプリを開くと、スケートリンクで森下さんが先輩と手をつないですべっている写真が届いていた。
 角度的に先輩が森下さんのスマホで撮影したのだろう。
 なんだかんだいって森下さんはすごく楽しそうな顔をしていた。
「森下さん、楽しそうだな」
 先輩と手をつないでいることよりもそっちに目がいった。
 まるで本当にデートしてるみたいだ。
 アウトドア派の森下さんにすれば楽しくないわけがない。
 スケートだと思ったように止まれなくて相手にしがみつくなんて場面はよくある。自然と距離も縮まるわけだ。
<<調子にのったら転んじゃった。
>>大丈夫? ケガはない?
<<平気平気。すぐに先輩が起こしてくれたわ。
>>だからスカートはやめたほうがいいっていっったのに。
<<ごめーん。ひさしぶりで腕がなまっちゃったみたい。
>>楽しそうだね。
<<先輩のエスコートのおかげかしら。
 森下さんの反応がまんざらでもない。
 それだけ先輩が女子の扱いに慣れているということだ。トラブルを解決したことで、森下さんの中で先輩の評価が上がっているのもあるのかもしれない。
>>先輩はなにかいってた?
<<今日の服装が可愛いねって褒められちゃった。
>>スケートが終わったら帰るんだよね?
<<この後、カフェに行くの。ちょっとお腹も空いたし。
>>そっか。
<<帰ったら連絡するわね。
>>待ってる。
 スマホのメッセージを見ながら、森下さんって意外とのんきだなと思った。
 転んだ時に先輩に森下さんのパンティーを見られたんじゃないかと気になった。
 というか、抜け目のないヤリチ先輩のことだから見ないわけがない。
「大丈夫か、森下」とかいいつつ手を差し伸べて、視線は森下さんのパンティーに注目してたはずだ。

 1時間ぐらいして、森下さんからメッセージが届いた。
<<困ったことになったわ。
>>どうしたの?
<<帰ろうとしたら急に大雨が降ってきたの。
>>いまどのへん?
<<スケート場を出て駅に向かう途中なんだけど。
>>傘はない?
<<うん。雨がやむまで雨宿りすることにしたわ。
>>雨宿り? どこに?
<<カラオケボックスよ。
>>先輩も一緒なんだよね? タクシーを探したほうが良くない?
<<どしゃ降りだから無理よ。
 天気予報のアプリを見ると、アメダスが地元だけ真っ赤になっていた。
 森下さんのメッセージに目を走らせながら、ふとあの辺にカラオケボックスがあっただろうかと疑問に思った。
 何度か行ったことがあるが幹線道路沿いにラブホテルが何軒かあるぐらいだ。デート帰りのカップルがよく立ち寄ることで有名だ。
>>ほんとにカラオケボックスなんだよね?
<<ええ、そうよ。たまたま見つけたの。
>>なんていうお店?
<<うーーん……なんだったかしら。
>>お店の名前も見てないの?
<<急いでたから。
>>とにかく気をつけて。
<<わかってるわ。
(森下さん、返事だけはしっかりしてるな)
 俺はスマホ画面を指でなぞる。

 どういうわけか森下さんのメッセージがパッタリ止まった。
 天気地図のアメダスの赤い部分は隣の地域に動いていた。
 俺はトークアプリにメッセージを送った。
>>雨やんだ?
>>まだカラオケボックス?
>>森下さん?
 数分おきにメッセージを打ったが返信がなかった。
 既読もまったくつかない。
「おかしいな。スマホの電源を切るわけないよな。カラオケに熱中してるのかな??」
>>森下さーーん。
>>スマホ壊れたとか?
>>もう1時間以上返事がないよ。
「ダメだ。まったく反応がないぞ」
 だんだんと心配になってきた。
 いくらなんでも反応がなさすぎる。
 カラオケの大音量で聞こえないとかだろうかとも考えたが、自分が歌い終わったらスマホをチェックしそうだ。
 スマホの電池が切れた可能性もあるが、そんな初歩的なへまをするだろうか? カラオケボックスなら充電サービスぐらいあるはずだ。
 俺は何度もスマホを手に取った。何回かアプリを再起動したりもした。
 こうしている間にも森下さんはヤリチ先輩と二人きりなのだ。
(もしかして森下さんになにかあったんじゃ……)
 ヤリチ先輩が森下さんの太ももを触っている写真が頭にチラついた。あれは手を置いていただけだが、もしかすると膝を開かせてもっとスカートの奥を触っていたかもしれない。
 森下さんにかぎって大丈夫だとは思うが、やはり先輩とのデートに行かせるべきではなかったと思った。

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 結局、森下さんから連絡があったのは夜の20時すぎだった。
<<返信遅くなっちゃった。
>>森下さん、いま帰ったの?
<<カラオケが盛り上がっちゃって。
>>それにしても遅すぎじゃない? 何度も連絡入れたのに。
<<ごめんね。気がつかなかったわ。
>>気がつかない??
<<電波の状況が悪かったみたい。
>>メッセージが届いてなかったのかな。
<<よくわからないけど。
>>心配したじゃないか。
<<ごめんなさい。ほんとに。
>>先輩に何かされなかった?
<<なにかって?
>>なにもなかったならいいけど。
<<カラオケを出たあと、すぐに駅で別れたわよ。
>>てっきりヤリチ先輩といい雰囲気なってるのかと思ったよ(笑)
<<ないない。絶対ないわよ。
>>だよね。森下さんはヤリチ先輩みたいなチャラい男はタイプじゃないもんね。
<<うーん、チャラいのかなぁ。
>>え?
<<いい先輩よ。おしゃべりも面白いし。
>>森下さん、ヤリチ先輩のこと嫌いじゃなかった??
<<うんーー。実際に話してみるとイメージとちがってたみたい。
 意外だった。1学期までは女子の敵で上級生の中で一番嫌いだとまでいってたのに。
 やっぱり先輩となにかあったんじゃないかと思った。
>>あのさ、森下さん。
<<ごめんなさい。
>>ん?
<<今日はちょっと疲れちゃった。また明日話すわね。
>>もう寝るの?
<<お風呂に入らないといけないし。
>>そっか……。
 いつもなら森下さんから夜遅くまで会話をするのに今日はやけにあっさりとしていた。
 本当に疲れているみたいだ。
 スケートにカラオケだから無理もないのかと思った。
>>おやすみね、森下さん。
<<ええ、おやすみなさい……。
 その日の会話はそれで終わった。
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