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藤崎詩織の一日
作者:ブルー
公開
01. 朝
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 小鳥たちのさえずりで藤崎詩織は目をさました。
 レモン色に水玉模様のパジャマ姿で「うーーん」と両腕を伸ばす。
 ベッドから起きる。カーテンを開けた。
 窓を開けて朝の新鮮な空気を吸い込む。
 空を見上げて今日も良い天気になりそうだと思う。
 スリッパを履いて部屋を出てトイレへ行く。
 階段を降りて朝食を作っている母親におはようと挨拶をする。
 脱衣所にある洗面台で液体ハミガキを使い口をゆすいだ。
 ヘアピンを使って前髪が濡れないように止める。洗顔クリームとたっぷりの水で顔を丁寧に洗う。
 ふわふわのタオルで軽く水分を取り、化粧水を使う。
 ダイニングには父親の姿がある。新聞を広げて読んでいる。
 父親に「パパ、おはよう」という。
 テーブルには、牛乳にトースト、ベーコンエッグにアスパラ、ヨーグルトが並んでいる。
 毎朝、両親と一緒に朝食を食べる。
 自分の定位置に座り「いただきます」と手を合わせる。
 父親は外資系の企業に勤めている。若くて優しい母親は専業主婦だ。
 2人とも詩織にとって自慢の両親だ。
 日曜には家族でよく高級レストランに出かける。
 食べ終わると詩織は食器類を台所の食器洗い機に入れる。
 洗面台に行って歯ブラシを使って歯磨きをする。

 階段を上がって自分の部屋に戻る。
 大きな鏡のついたドレッサーの前に座る。
 ブラシを手に、自慢のストレートヘアを入念にブラッシングする。トレードマークのヘアバンドをセットして、鏡に映った顔をチェックする。
 愛くるしい瞳に落ち着いた雰囲気の端正な顔立ち。あどけなさの中におとなっぽさを同居させたような美貌。同級生の女子たちは清純派アイドルを思わせる詩織のルックスをうらやましがるが、本人にとってはこれが普通なのでとくになにも思わない。
 化粧はしない。校則で禁止されているのもあるが元々する必要がない。指先の爪もいつも短く切り揃えてある。
 ブラッシングが終わるとパジャマを脱いでパンティーだけになる。
 身長は158センチ。色白の均整の取れたスタイルで、新体操選手のように手足はスラリと長い。小ぶりだが形の良い胸はツンとして、乳首は可憐なピンク色をしている。ヒップラインはキュッと引き締まっている。性器は完全なスリットで生まれつきアンダーヘアは生えていない。
 下着入れからブラジャーを取り出す。どちらも色は白だ。両腕を背中に回してブラジャーをつける。
 詩織は白かピンクの下着しか持っていない。
 高校生にもなってすこし子供っぽいかなとも思うが、派手な下着は自分には似合わないのではないかと思っている。
 壁にはきらめき高校の制服がかけてある。都内でも有数の進学校で、黄色いリボンをあしらった水色のセーラー服だ。
 それを頭からかぶり袖に腕を通す。胸のリボンを結ぶ。両手で髪を背中に出す。横のファスナーを下げる。
 折り目のきっちりとしたスカートをはいて、腰のホックを留める。スカートの丈は膝が見える高さだ。折り返しのある白の靴下をはいた。
 最後に鏡の前に立ってリボンが斜めになっていないか確認する。
 リンゴマークのスマホを学生鞄に入れる。
 部屋の時計は7時5分を指している。
 部屋を出て扉を閉める。
 階段を下りて、1階で母親からお弁当を受け取る。
 玄関でブラウン色のローファーを履いて、元気な声で「いってきます」と家を出る。

 小さな門扉を出て、すぐ隣の家を見上げる。幼なじみの部屋のカーテンがまだ閉まっている。
 スマホで連絡を入れてみるが反応がないのであきらめる。ため息をついた。
 近所の人に挨拶をして、10分ほどの道のりを歩いて駅へ向かう。
 駅は通勤する会社員と通学する学生で混雑している。
 改札を通って連絡通路の階段を下りてホームに並ぶ。
 すぐに快速電車が入って来る。
 乗客の波に押されるように乗り込む。
 車両では、いつもドア近くの隅に立つ。
 車窓に流れる街並みを眺めていると背後に気配を感じる。
 はじめのうちは電車の揺れに合わせるようにして当たったり離れたりをしていた手が、スカート越しにヒップラインをなではじめる。
 心の中で、まただわと思う。
 このところほぼ毎日痴漢の被害に遭っている。
 片手で払ってもすぐに男の手が触りはじめる。
 そのうちスカートのうしろをめくって下着の上を這い回る。
 詩織は怖いので前を向いてじっとする。
 耳のうしろから男のハアハアという息づかいが聞こえる。
 小さい声で「やめてください」という。
 だが、かえって痴漢行為は大胆になる。
 駅に着く頃には、前に回り込んだ男の手がパンティー越しに詩織のスリットをなぞっている。
 クチュクチュと小さな音がしているのが自分でもわかる。
 怖い気持ちと恥ずかしい気持ちで、うつむいて全身をこわばらせる。
 ドアが開くと逃げるように電車を降りる。
 駅の改札を抜けてようやくホッとする。
 パンティーがすこし濡れているのが気持ち悪いと思う。
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