02. 学校
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学校では、顔なじみの同級生や校門の教師に清潔感にあふれた笑顔で挨拶をする。
校舎を入ってすぐにある、自分の下駄箱を開ける。
バサバサとラブレターが足元に落ちる。
しゃがんでそれを拾い、学生鞄に詰める。今日はいつもより少なくて良かったと思う。
2年A組の教室は校舎の3階にある。
教室に着くとクラスメイトと挨拶を交わし、自分の席に座る。
鞄から勉強道具を出して1時間目の準備をする。
仲のいい女子とおしゃべりを楽しむ。
最近、SNSで流行っていることや芸能人の話題に花を咲かせる。
チャイムギリギリで幼なじみが教室にすべり込んでくる。
詩織は幼なじみの席に行く。
「寝ぐせがついてるわよ」と、スカートのポケットから櫛を取り出して直す。
幼なじみは詩織に礼をいう。
朝のホームルームがはじまる。
担任教師から体育祭についての連絡があった。
秋にある修学旅行についてのアンケートのプリントが配られる。昼までに回答して、クラス委員が集めて職員室に持ってくるようにいわれる。
クラス委員は詩織だ。
1時間目の英語の授業がはじまる。
列ごとに教科書の例文を読むように当てられる。
クラスメイトが苦戦する中、詩織はネイティブな発音でスラスラと読みあげる。
外国人の講師にベリーグッドと褒められる。
2時間目の現代文では夏目漱石の作品を題材にして学んだ。
詩織は黒板の解説をそのまま書き写すのではなく、疑問に思ったことや重要な箇所を整理してまとめている。
3時間目の情報ではパソコンを使って簡単なプログラムを組む学習をした。
詩織は機械関係が苦手だ。
休憩時間に幼なじみが詩織の席にやってくる。
数学の課題がまだで詩織に助けを求める。
詩織は「しかたないわね」とノートを貸す。
4時間目の数学IIでは対数を含む2次式の問題を黒板に解答した。
昼休憩になると、親友の美樹原愛に「悪いけど先に食べてて」と告げて1人で教室を出る。
生徒であふれる廊下を歩き、階段を上がって屋上へ向かう。
屋上では別のクラスの男子が待っている。
風で髪がなびくのを片手で押さえながら詩織はにっこりと微笑む。
「待たせてごめんなさい」
「俺もさっききたばかりだよ」
「お手紙ありがとうね。うれしかったわ」
「……藤崎さん、返事は?」
詩織は困ったような顔で相手を見つめる。
「ごめんなさい。いまは恋人を作るつもりはないの。お友達でいましょう」
詩織の言葉に男子はガックリとうなだれる。
「用事があるから」と詩織は屋上をあとにする。
一旦教室に戻り、職員室に行く。
「失礼します。集めたプリントを持ってきました」
プリントの束を担任の教師に渡す。
「優等生の藤崎がクラス委員でたすかる」
「先生、他に仕事はありますか?」
「そうだな。体育祭までに購入しておく備品があるか聞いておいてもらえるか」
「わかりました」
担任が人目を忍ぶように詩織の手を握る。
「ところで、日曜日に先生とドライブでもどうだ?」
「すみません。その日は、母と買い物に行く予定があります」
すげない態度で手をどける。
「藤崎はいつも忙しいな」
教師の心証が悪くならないよう「また今度誘ってくださいね」とフォローを入れるのを忘れない。
教室でようやく昼食をとる。
美樹原愛がやってくる。
「詩織ちゃん、どこに行ってたの?」
「いつもの用事よ」
「いいなあ。うらやましいな」
「あら、めんどうなだけよ」
「詩織ちゃんも早く彼氏作ればいいのに」
「そうね。いい人がいればね」
「詩織ちゃんは理想が高すぎるのよ」
「そんなことないわよ。それに高校生だし、まだ恋愛は早いわよ」
そうはいっても詩織も高校生なので本当はすてきな恋人が欲しいと思っている。
5時間目の授業は体育だ。
クラスの女子たちと更衣室に移動した。体操シャツと水色のブルマの体操着に着替えた。
他の女子に混じると詩織のスタイルの良さが際立つ。
グラウンドで50メートル走とハンドボール投げの体力測定をする。
詩織が走る番になると男子達がこぞって注目する。
コースを駆け抜ける。
タイムは8.1秒だった。
走り終わると、詩織は指を使ってブルマの食い込みを直した。
男子達から「オオ~」という歓声が上がる。
ハンドボール投げは14メートルを記録した。
残りの時間、詩織は美樹原愛と木陰に座って話した。
6時間目の授業は世界史だったが疲れたので保健室で休むことにした。
体操着姿のまま詩織がベッドで眠っていると、保健室のドアが音もなく開いて担任が入って来た。
他に誰もいない。
詩織がスースーと寝息を立てているのを確認する。
シーツをめくって、全身をじっくりと眺める。
色白い健康的な太ももを手でなぞる。
ブルマの股間に鼻を近づけてクンクンと体臭を嗅いだ。
立体的な土手をベロで舐める。
眠ったまま詩織がモゾモゾと体を動かして反応した。
担任は動きを一旦止める。
顔を上げて目を覚ましていないのをたしかめる。
今度は体操シャツをめくってブラジャーをずらすと、小ぶりなバストを根元から搾るように掴む。
ピンク色の乳首にむしゃぶりついた。
左右交互にチュパチュパと吸ってレロレロと転がす。
片手をブルマの中に忍ばせてアソコを直接触った。
「んっ、んっ……」
さすがに詩織が起きる気配を示す。
担任は急いでブラジャーと体操シャツを元に戻した。
気づかれないよう保健室をあとにする。
目を覚ました詩織は、ブルマの股間が湿っているのに気づく。変な夢を見たせいかしら?? と不思議に思う。
ベッドを下りて保健室を出る。
更衣室で制服に着替える。
教室に戻って、途中から世界史の授業を受けた。
掃除の時間、サボっている男子を「遊んでないで掃除を手伝いなさい」と注意する。
帰りのホームルームで進路希望がまだ決まっていない生徒は保護者とよく話して決めるように注意がある。
詩織は一流大学へ進学するつもりだ。いまの成績なら合格は間違いなしだと教師にいわれている。
ホームルームが終わると、鞄に教科書類を入れながら明日の課題を確認する。
クラスメイトに「バイバイ」と挨拶をして教室をあとにする。
校舎を出て、女子テニス部のクラブハウスへ向かう。
テニスの腕前は中の上といったところだ。
部室には、荷物を入れるロッカーとベンチ、テニスの道具などが置いてある。
持ってきた荷物から白のテニスウェアを取り出して着替える。荷物をロッカーに入れる。
ウィルソン製のラケットを手に練習場所へ向かう。
テニスコートを囲むフェンスには、詩織のテニスルックを一目見ようと大勢の男子が集まっている。
他のテニス部員とミニゲームをする。
ボールを打ち返すたびにスカートが舞って、ヒラヒラの飾りがついたアンダースコートがチラリと見える。
男子はスマホを構えて撮影する。
内心はいやだなと思っている。
男子のそういうデリカシーのないところが詩織はとても嫌いだ。
練習が終わるとクラブハウス横のシャワー室でシャワーを浴びる。
ここだけでしかしないような女子たちの会話がある。
運動の汗を流してさっぱりとする。
シャワー室を出て部室で制服に着替えて、ロッカーの荷物を持って下校の準備をする。
校門前で幼なじみとばったり会う。
「家まで一緒に帰らないか?」と誘われるが「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし……」と断る。
肩を落とした幼なじみの背中を見送りながら、もっと強引に誘ってくれればいいのにと残念に思う。
朝、通った通学路を1人で歩く。
帰りの電車でスマホをチェックした。
グループトークでは、同じクラスの女子がC組の男子に告白された話題で盛り上がっていた。
詩織も「<<どんな男子?」と返事をしておいた。
名前を聞いても誰なのかピンと来なかった。