蒼い小部屋2020 発売中! DMM / DLsite
茜 Lost Virgin
作者:ブルー
公開
02. はじめてのフェラチオ
<< 前へ   次へ >>
2/14

 放課後に向った場所は女子バスケ部御用達のカラオケルームだった。ここなら駅から近いし部屋も広くて新曲の導入も早い。とくに値段がリーズナブルで、1人300円で1時間歌い放題という点が茜たちのようなお小遣いにかぎりのある女子高生にとって使い勝手が良かった。
 ドアを開けた部屋にはだれもいなかった。
「なーんだ。だれもいないじゃない」
 茜は学生鞄を横にソファーに座る。テーブルの歌詞本を手に取って、新曲が入っていないかページをめくってチェックをはじめた。最近お気に入りの女性ボーカルのポップスを口ずさみ、とくに気になる新曲がないのを確認するとコントローラーを使って指任せにコードを入力した。「これならさ。みんなも誘えば良かったわね」と言った。
 向い側のソファーで良美は、短いスカートから下着が見えそうなのも気にせずに脚を組んで座り、携帯を片手にメールをチェックしていた。まるで期末試験で出題された難しい数学の問題を解いているような真剣な顔つきだ。マイクを手にした茜がミニステージに向おうとするとドアが開いて1人の男性が入ってきた。
「ごめんごめん。講義が長引いちゃってね」とその男は言った。栗毛色の髪をナチュラルに流し、黒いタートルネックのシャツにグレイのスラックスをカジュアルに着こなしていた。笑うと白い歯がわずかに見えた。
「遅いわよ。はじめちゃうところだったのよ」と良美は携帯を閉じた。待ちかねたように立ち上がり、背中を押してソファーに案内する。自分はその隣にちゃっかりと座り、腕を絡めネコのように身をすり寄せた。
 茜はへーっと感心した。マイクを両手で持ってちょこんとおじぎをし「はじめまして」と挨拶をした。さすが外見にうるさい良美が選んだだけはある。まるでファッション雑誌を飾る男性モデルのようだ。服装からしてオシャレで、いかにも女性にもてそうな雰囲気がある。首にはキラリと光るシルバーのネックレスをしていた。それ以外は貴金属類を一切身につけていない。ピアスも指輪もしていなかった。
 男は「これでも車を飛ばしてきたんだよ。午後の講義はどうしても抜けれなくてね」と言った。茜を見て白い歯を見せて爽やかに笑った。「キミが茜ちゃんだね。なるほど、なんていうか言葉にうまくできないけど驚きだよ。すごく可愛い。まさにアイドル顔負けって感じだね。良美ちゃんが紹介したがらなかったわけだ。僕は美樹本。美樹本トオルだよ。大学の仲間からはミッキーって呼ばれてるけどね」
「はあ……森下、茜です」
「どうしたのかな。僕の顔になにかついてる? だれかに似てるとか?」
「いえ。そうじゃなくて……なんかクラスの男子とかと違って大人だなって……」
「ビックリしてるのよ、茜も。美樹本さんすごくかっこよくて。ねえ、どう? わたしの言ったとおりでしょ? 美樹本さんね、あの青大の3年生なのよ。法学部でね、お父さんは弁護士をされてるのよ」
「個人事務所みたいなもんだよ、小さいね」
「ウソ。あんな大きなビルのフロアを2つも借り切ってるじゃない」
「ハハハ。まいったな。見てくれだけだよ。どうも見栄っ張りが我が家の家訓みたいでね」
 良美に抱きつかれ美樹本は栗毛色の前髪を軽くかき上げて苦笑していた。シルバーのネックレスがキラリと光る。にこりと穏やかに笑んで茜を見つめる。
 茜は黒い瞳をしばたかせていた。どこがと聞かれれば答に困るがどこか普通とは違う。そんな雰囲気が感じられる。それはどちらかといえば寒気に近かったが、向けられる視線が穏やかということもあり不快感はなかった。学校の男子に告白されたことは山ほどあるし、噂を聞きつけた大学生の男を友人から紹介されることもよくある茜ではあるが、その中に美樹本ほどスマートでハンサムな男性はいなかった。はじめから知り合いであるような余裕の感じさせる笑みで落ち着き払ったムードを漂わせ、ただなんとなく違和感があるのもたしかだった。茜はもっといい意味で平凡な感じがタイプだった。たとえば隣のクラスにいる小笠原まさとのような。
「なにか飲み物でも取ろうか。喉とか乾いてないかな」
「わたしドライマティーニがいい」
「おいおい。キミは高校生だろ。高校生が学校帰りにドライマティーニなんか飲んでたらまずいんじゃないのかい。ジンジャーエールでいいだろ?」
「ハーイ」
「茜ちゃんはそうだな……コーラでいいかな?」
 茜はうなずいてポニーテールを揺らした。
「そうだな。フライドポテトとから揚げもどうかな。もっとちゃんとしたところに連れてってあげたいけど、制服のままで寄り道するのもね。から揚げは好きかい?」
「はい……好きです」
「もしかして人見知りするほう?」
「そんなことはないけど」
「でも緊張してる? 表情とか少し硬いよね」
「なんだか慣れてるなって。もしかしてこういうこととかよくあるんですか?」
 美樹本は落ち着いた感じで前髪をかき上げた。「それは合コンとかに行ってるかってことかな?」と逆に質問した。
「答えはノーかな。勉強がほとほと忙しくてね、遊ぶ暇がないんだよ。空いた時間はもっぱら音楽を聴いてるし、ドライブが唯一の趣味ってところかな。自分でも寂しいキャンパスライフだと思うよ。そういうのはあまり好きじゃない?」
「ドライブも立派な趣味だと思います。わたしは……車とかあんまり好きじゃないけど……」
「車が好きじゃない? どうしてかな? ま、いいか。なにか理由がありそうだしね。とりあえずそんな遊んでるわけじゃないし、茜ちゃんが思ってるような軽いタイプじゃないよ。友達付き合いで引っ張り出されることとかあるけどさ。サークルもそんな感じでね。なんだかよくそういうふうに勘違いされるんだ。こういう見てくれだろ?」
「……そうなんですか」
「まあ誤解されるのにも慣れたけどね。悲しいよね、外見だけで人の内面まで判断されるなんてさ。茜ちゃんもそういうことあるんじゃないかな? ああ、そうそう。ここのお金なら心配しなくていいよ。遅れた僕が払うし、そうでなくてもこんなに可愛い女子高生2人に囲まれてるんだ。それぐらいは出させてもらうさ。遠慮しないでくれよ。遠慮されたらそうだな……僕が困る。ハハハ、これじゃ説得力がないか。まあ男のプライドみたいなものかな。そういうのは分かってくれるかな?」
「少しなら」
「良かった。そういう表情もすごくキュートだね。1年でミス青葉台に選ばれたそうじゃないか。告白をすべて断ってるんだろ? 青葉台の撃墜王にやんちゃ姫、そう呼ばれてるらしいね」
 茜はあっ気に取られた顔をした。すぐに「良美!」と咎めるように視線を向ける。頬を膨らませた。
「ゴメーン。でも事実でしょ。実際問題茜には男がいないわけだし、まだだれとも付き合ってないしキスしたこともないんだし」
「もう! お願いだからそれ以上よけいなことしゃべらないで」
「ハハハ。良美ちゃんは悪くないよ。僕が聞き出したわけだしね。それにしてもどうしてなのかな。茜ちゃんなら彼氏なんて選びたい放題だろ? 学校は共学なわけだし、みんなタイプじゃないとしたらそれはそれですごいよね」
 良美はウフフと笑った。茜に視線を絡めながら指先を美樹本の胸元に押しあて小さく文字を書くように動かした。「それはね、茜の見る目が厳しいってのはあるわよ。あとね、お子さまなの。でもそれだけじゃないのよねー、茜」と言った。「じつはねー。最近、好きな人ができたのよねー」
「ちょ、ちょっと急になにを言い出すのよ」
 茜はテーブルに両手を着いて立ち上がる。ドアをノックする音が聞こえ注文したドリンクとスナック類が運ばれてきた。赤面で咳払いをして座り直した。グラスを持って口に傾ける。ゴクゴクとコーラを飲んで、揚げたてのから揚げを1つ口に頬張った。
「本当なの? いまの話」
「ええ、本当よ。隣のクラスの小笠原くんが好きなのよねー、茜」
 思わず口にしていたコーラを勢い良く壁に噴出しそうになった。「ど、どうしてそうなのるのよ」と咳き込むのを無理に押しやり、茜はソファーから身を乗り出す。黒い瞳を大きく開いて良美に詰め寄り、首筋から耳の辺りまでが赤くなっていた。
「あら、みんな知ってるわよ。最近いつも2人で話してるじゃない、廊下で。彼、ときどき放課後になると女バスの練習見にきてるみたいだし、そういうのって目立つでしょ。知られてないって思ってるのは茜1人じゃないの? 仲良さそうに並んで帰ったりしてるのも目撃しちゃったし」
「それはたまたま帰りが一緒になっただけで……」と茜は挙動不審に陥った視線をあらぬ方向に泳がせてソファーに座り直した。伸ばした両手の指先を制服のスカートの上にしっかりと置いて、足先を斜めにツルンとした両膝をぴったり揃える。真っ赤になった顔を子供が拗ねるようにプイッと横に向けた。「廊下とか話すのも友達なら普通でしょ」と白々しくしらを切った。
「でもさー、まさか嫌いな男子と一緒に帰ったりしないわよね? 偶然だって何回も続くと十分怪しいわよ」
「そういうの人それぞれでしょ。良美だって男子の友達多いじゃない」
「わたしは茜と違うもの。駅まで一緒に歩いて帰ってそれでバイバイってわけじゃないわよ。もうさ、すっぱり認めちゃいなさいよ。別にいじめてるわけじゃないんだしさ。みんな茜にもついに春が来たって喜んでるわよ、色々と」
「やだ。どうしよう」
 茜はポニーテールの頭を抱え込んだ。そこまで噂が広まっているとは知らなかった。しかも内容が事実だけに対処に困る。
 良美は指に摘んだフライドポテトをかじり「いいじゃない。堂々と付き合っちゃえば。あなたたちとてもお似合いだと思うわよ。どっちも恋愛に奥手っぽいし、力が入りすぎだし周りが見えないっていうか相手にのめり込みそうなタイプだし」と茜に言ってから隣を見て「そういうわけで美樹本さん残念でした。茜はもうすぐその男子のモノになるのでした」と言った。

 美樹本はなにかを考えるように口元に手を当てて「それは残念だな」と言葉を短く切った。視線はその先にある制服のスカートからスラリと伸びる茜の色白い太腿やしっかりと発達した腰つきを眺めていた。「そうなると他の男子はさぞがっかりするだろうね」と淡々として言った。
「あの、本当にまだただの友達なんです」
「まだ、か。まんざらでもなさそうだよね。友達以上恋人未満、もしかして相手から告白してきてくれるのを待ってる状態とか?」
「えっと、それはその……」
「図星かな。なんだか微笑ましいな。高校生に戻りたくなってきたよ、僕も。でもアドバイスってわけじゃないけど、そんなに難しく考える必要はないんじゃないのかな。春が来れば花が咲くようにそういう時期がくればそうなるわけだし、まだどうなるかわからないわけだろ? 彼は他に好きな女の子がいるかもしれないし、もしかしたら茜ちゃんだってもっと素敵な男性と出会う可能性もあるわけだからね」
「だからそんなんじゃなくて」
「ハハハ、そんな怒ったみたいに否定しなくてもいいだろ。たとえばの話だよ。そうだ。せっかくだから歌いなよ。聞いてみたいな茜ちゃんの歌。カラオケも得意なんだって? 僕はここで応援してるからさ」
「そうよ。歌いなさいよ、わたしはここでヒューヒュー言ってあげる」
「もうっ! いったいだれのせいだと思ってるのよ」と茜は良美を睨んでため息をした。唇を尖らせてマイクを持ってステージに上がる。これ以上話がおかしな方向にこじれるより歌うほうが茜にとっても気が楽だった。

 スピーカーからいま人気のヒットナンバーが流れはじめた。『この胸にシュートして』という曲名の、女の子の恋愛をテーマにした曲だ。ポニーテールとリボンを小さく動かし、スカートを揺らして腰でリズムを取る。茜はマイクを手にすると体が勝手に動き出すタイプで、友人が歌っている間でも手拍子をして歌詞を口ずさみ、リズムに合わせて体を揺らし場を盛り上げたりする。天井では小さなミラーボールがバブル時代の忘れ物のようにキラキラと回転していた。
 片手を上げて、肘を曲げて顔を隠すように横にかざすと、ソファーの2人に向ってVサインをしてアイドルっぽくニコッと笑って見せた。軽くその場で飛び跳ねる。アップテンポの曲調に早くもノリノリだ。足を前後にウォーキングステップして腰を軽く波打たせ、両腕を頭上でクロスさせて左右に広げる。生き生きとした表情で全身を軽快に動かしながら夏の青空のような歌声をメロディに乗せた。茜が歌うとまるでそこだけ本当にアイドルのミニコンサート会場になったように華やかで明るい雰囲気に包まれた。

「アハハ、最高よ、茜!」と良美はタンバリンを叩いて笑っている。
 その声援に応えるように片脚を曲げて踵をうしろに持ち上げウィンクとピースサインをする。クルリと背中を向けると腰のくびれに両手を当てて可愛らしさいっぱいにスカートのお尻を左右にフリフリと動かす。まさにアイドルコンサートのノリそのままで学校の男子であればそれだけで悶絶モノの清純さと可憐さだ。バスケットもそうだがとにかく茜は体を動かすことが好きで、体育祭の出し物で踊った創作ダンスでも長いハチマチと白い手袋をした健康的なブルマー姿でクラスの先頭に立ち、大勢の父兄がカメラを構える観客席に向って弾けるような笑顔を振りまきながらハツラツと踊っていた。曲が流れると体がウズウズしてじっとなどしていられない。それが自分の好きなアーティストの曲であるならなおさらだ。文化祭のお化け屋敷では自分からお化け役を買って出たりもした。そしてそれこそがお調子者でやんちゃ姫と言われるゆえんであり、男子から断トツの人気を集める茜が同性の女子からねたまれることなく好かれている理由でもあった。
 得意のレパートリーを3曲続けて披露して茜は化粧室へ席を外した。
 蛇口から水が流れる。洗面台で唇に白いハンカチを咥え手を洗っていると「良美、美樹本さんと付き合ってるのかな?」という疑問がふいに頭をよぎった。鏡に映る自分を見つめる。茜の年代にすれば大学生の彼氏というのは珍しいわけではない。わりとよくある話だし、むしろ良美はそのほうがしっくりとくる。ただなんとなく危険な匂いのする美樹本に不安を感じないでもなかった。
 時計を見た。時計は午後5時をまわっていた。「そろそろ帰っていいよね」とだれにでもなく茜はつぶやいた。
 部屋に戻って扉を開ける。「そろそろ帰るわね、良美」と言おうとした。
 薄暗い室内ではソファーに座った良美が体を横に折り曲げ、美樹本の股間に顔を埋めていた。茜も着ている白線の入った黒い襟をしたセーラー服の背中がときおり動いて、サラサラとしたショートヘアがミラーボールの光を反射していた。ング、ング、と小刻みに揺れる。茜はギョッとしてその場で凍りついた。「なにしてるのよ、良美」と声を出すのがやっとだった。
「なにって、フェラチオに決まってるじゃない」
 良美は顔を少しあげてクスリと笑った。慣れた手つきで根元を支え、天井に向って直立したペニスに頬擦りをする。「ねえ。茜も手伝ってちょうだい。あなたの踊ってるの見てたら美樹本さんこうなちゃったんだって。だからね、このままだと苦しいし歩きづらいでしょ? こうしてザーメンを搾り取ってスッキリしてもらってるのよ、元通りに戻ってもらうために」
「面目ない」と美樹本は栗毛色の前髪に手を当てて言った。「僕はいいって遠慮したんだよ。でも良美ちゃんがどうしてもって断れなくてさ。弁解するつもりはないけど、こんなことで女の子を悲しませたりするのは男として情けないだろ? 親切心で申し出てくれた良美ちゃんの厚意を無下にしたくなかったんだよ。良かったら茜ちゃんも一緒にしてくれないかな? 2人だと早く済むし、茜ちゃんのすごく魅力的なダンスを見てこうなったのに、それを良美ちゃんだけに処理してもらうのもね。僕からもお願いするよ」
 茜は瞬きも忘れて絶句した。なにをどう言い返せばいいのかうまく思いつかない。
「簡単よ。こうやってね、ソフトクリームを舐めるみたいにペロペロすればいいの」と良美は赤黒い鉄パイプのようなペニスを片手で握って、ツンとした鼻先を近づけて伸ばした赤い舌でペロペロと舐めた。傘のように広がったカリ首に舌へりを横に絡めて往復させる。
 茜は「やめなさいよ。そんな不潔なこと間違ってるわ」と険しい表情で言った。交際経験のない茜とって、友人の良美が目の前でそういういかがわしい行為をしていることさえ耐えられないのだ。ポニーテールを揺らして顔を横に向け、目をそむけた。すぐに部屋を飛び出したかったが茜の学生鞄はいつの間にかソファーの向こう側に移動させられていた。
「不潔なんかじゃないわ。こうされるととても気持ちいいのよね、美樹本さん」
 良美は突き出した舌をウネウネと動かす。
「ああ。良美ちゃんの言う通りだよ。茜ちゃんがそう思う気持ちもわかるけど気持ちいいのは本当なんだ。ごめん。こればっかりはどうしようもない」と美樹本は腰を仰け反らせ申し訳なさそうに言った。手を良美の頭に置いてあやすようになでる。美樹本は頼むからキミもしてくれよとお願いするように茜を見つめていた。
「みんなしてることよ。最初は汚いって思ってもね、こうしてるうちに頭がボーッとしてなにも考えられなくなるの。男の人もすごく喜んでくれるし、自分でそんなふうにさせられるんだって思ったらジーンてきちゃうわよ。茜もしてみなさいよ。すごく簡単よ、これ。パスもらってレイアップシュート決めるより簡単なの」
「いやよ。どうしてそんなこと」
 眉間にしわを寄せ唇を真一文字に引き結ぶ。嫌悪感を滲ませた表情で良美のほうをチラリと見る。良美はペニスに唇を寄せとろけそうな表情でついばむようにキスをしていた。チュッ、チュッ、という音が茜の耳にまで聞こえる。
「ねえ、あんただって一生バージンでいるつもりじゃないでしょう? まさか結婚するまで後生大事に守っていくつもりじゃないでしょうね? なにもここでセックスしろって言ってるわけじゃないのよ。舐めたって処女じゃなくなるわけじゃないんだし、それにこういうのも経験だって思わない? いきなり彼氏と本番って、そっちのが勇気いるわよ」
「そういう経験とかってまだ早いわ。それにそれに、普通に考えてもとてもいけないことよ。好きでもない人とこんなのってやっぱり不潔よ」
 良美はおしゃぶりを止めた。あごを下げてサラサラとした前髪で表情を隠しクスクスと笑った。
「茜ってどうしようもないお子さまね。間違ってるとか、早いとか、おかしいとか、普通じゃないとか、いけないとか、まるで規律ばっかりの学級委員みたい。フェラチオもできないなんてわたしがっかりしちゃった」右手で握った竿の部分をシコシコと扱きはじめる。唾を垂らし陰嚢のつなぎ目部分にチロチロと舌を這わせた。
 美樹本が「おいおい。そんなふうに言ったら茜ちゃんがかわいそうじゃないか。いきなりで驚いてるだけだよね? 茜ちゃん」と優しくフォローを入れる。「人には得手不得手があるんだし、茜ちゃんは気にする必要ないからね」とクールに笑いかけた。
「いいのよ。かばったりしなくても。茜ってほんとお子さまなんだから。学校じゃ人気者ぶってみんなにやんちゃ姫なんて呼ばれてるけど、ホントはフェラチオもできないブリッコなのよ。胸とかお尻とか体だけ大人よね。それ以外はまるで小学生と変わらないじゃない。ずーっとずーっとなにも知らないバージンのままで、そのうち彼氏に頼まれてもフェラチオってなに? ってキョトンとしながら首をかしげるつもりなのよ。そういうのが綺麗だとか正しいとかって、家とか学校で教えられてそのまま信じちゃってるのよ。ホントチョーお子さまだわ」
 茜はムッとした。「そんな言い方ないでしょ」と反論した。両手を腰に当てて前に一歩踏み出し「わたし、お子さまじゃないわ」と強い口調で言い返す。茜は良美のつらつらとした見下した言いようにカチンときたのだ。攻撃的な眼差しで見返し頬を膨らませる。
「いいえ、お子さまよ。だって茜にはこんなことできるわけないもの」
 良美は美樹本のペニスを口に咥えてしゃぶって竿の部分をシコシコと扱いた。口元にほんのわずかな笑みを忍ばせる。「悔しかったらあんたもフェラチオしてみなさいよ」と鼻で笑った。明らかな挑発だ。
「どうせお子さまの茜には無理でしょうけど」
「できるわよ。それぐらい!」
「そう?」
「ただ舐めてるだけじゃない」
 良美はまるで茜がそう反応することを予想していたようにクスクスと笑った。
「それじゃ、そんなところ突っ立ってないでこっち来て座りなさいよ。それでね、竿の部分をね、こうしてリレーのバトンみたいに握るの。できるわよね?」
「簡単よ」
 強がる台詞とは裏腹に茜の声は緊張に上ずっている。ぎこちない動きで美樹本の右隣にスカートの裾を押さえて座った。
 美樹本は口元を緩め「本当にしてくれるの? 悪いね、茜ちゃん」と言った。さりげなく肩に腕を伸ばして「こんなことになってほんと面目ない。すべて僕の責任だよ」と謝った。グイッと抱き寄せる。茜は美樹本の胸元に頬を寄せる格好になった。
 顔が一瞬で真っ赤に染まる。まさに顔から火を噴く心境だ。ドキドキと鼓動が早まる。それでも自分が言い出したことだから逃げることなどできるわけがない。恐る恐る右手を伸ばし、初めて見る男性器に細く繊細な指先を弱含みに絡めた。ゴツゴツとした血管が浮き上がり奇妙なぐらいにグロテスクで、巻きつけた指が焼けどするのではと思うぐらいに熱かった。どうしてこんなものが男性の体にはついているのだろう、そんな驚きと好奇心の眼差しで眺めつつ、茜は自分でも気づかないうちに唾を飲み込んだ。
「そのまま上下にこすってくれるかな」と美樹本が耳元で言った。
「え、こするんですか」
「そうだよ。そのままだとラチがあかないだろ」
「そ、そうなんだ」
「それともずっと握っていたい?」
 茜はフルフルと首を左右に振った。
「もしかして男のモノを見るのは初めて?」
「はい」と縦にうなずく。
「お父さんとお風呂に入ったりしない?」
「もう高校生だから……」
「でも子供の頃は一緒に入ってたわけだよね? 浴槽で無邪気に抱きついたりとか、体を洗ってもらったりとか」
「そうだけど。はっきりと覚えてるわけじゃないし」
「となると、今日ははじめての勉強ってところかな。最初はゆっくり動かすだけでいいよ」
「はい……」
 指先の手をゆっくりと上下に動かした。まるで虫が這っているような遅さだ。
 美樹本は茜の肩をスリスリとなでて「ああ、気持ちいいよ。茜ちゃんの手、すごくひんやりしてる。マイクみたいに握ってるね。茜ちゃんみたいな飛び切りの美少女に扱いてもらうと本当に気持ちいいよ。その慣れてない手つきとか最高だ。なんだか小学生の女の子にいけないことを教えてるみたいだ。興味あるんだろ。もっと近くで見てごらん」と言った。
「いえ。いいです、それは」
「怖がってたら勉強にならないよ。僕で良ければいつでも協力するし。もう良美ちゃんにバカにされないように経験と知識を蓄えないと。そうだろ?」
 茜は視線を横にした。もう心臓がバクバクだ。無言でうなずく。顔を近づけると、至近距離から美樹本のペニスをじっくりと見つめた。澄んだ瞳の焦点をモジャモジャと陰毛の生えた根元からツルンとした先端まで這わせる。軽く指を動かすと、美樹本のペニスはピクンと反応した。
(すごい。こんなふうに動いたりするんだ)と茜は感心しきりだ。
 シコシコと2回ほど往復する。そのたびに美樹本のペニスはピクンピクンと機敏に反応して、グロテスクだがどことなく可愛いかもと奇妙な感想を感じた。形からして不思議だし、こんなに硬くて太くて長くて熱くて、男の人は邪魔にならないのだろうか、こんな大きなモノが本当に女性のアソコに入るの? 茜は初めて水族館に来た子供が水槽で泳ぐ魚たちを興味深く観察するようにまじまじと眺めた。もともと好奇心旺盛で性に興味のある年頃だけに目が離せない。横に倒してカリ首の反り返り具合やペニスの裏側を、スケッチでもするかのごとくこと細かに観察した。
 そんな茜を見ていた良美が「見てるだけじゃダメよ。スナップをきかせてシコシコしないと。そうするとね、男の人はすごく気持ちが良くなるのよ」と教えた。美樹本を挟んだ反対側の肩にしなだれかかり、茜の手に自分の手を添え「男のペニスはこうやってシコシコするのよ」と教えるように根元からカリ首まで手際の良いリズムで動かした。
「もっとしっかり握って」
「こう?」
「そうそう。どう、扱いてるだけなのにすごくドキドキするでしょ」
「する、かな」
「それが普通なの。茜もやっとひとつ大人になったって感じ? でもまだまだ。だってこんなの子供の遊びだもの。いつまでたっても射精なんかできないわ。そういうのがすごく辛いって知ってるわよね」
「そっか。そうなんだ」
「早く美樹本さんを射精させてあげないと。それが茜の役目よ。いい、そういうのを恥ずかしがったりいけないって思ったらダメ。じゃないといつまでたっても終わらないし、男の人は辛いままよ。それって戦争映画の拷問みたいじゃない。わかったらさっさと手を動かしなさい」
「う、うん」
 茜は気圧されてうなずいた。根元からカリ首のところまでを丁寧にシコシコと扱く。良美に比べるとまだたどたどしいが、それでも先ほどよりはかなり早い。その間美樹本の手は、茜の緊張をほぐすようにポニーテールやうなじ、首筋に頬、耳近くをサワサワと触っている。茜はそれがなんだか嫌だなと思っていた。
「次はね、顔を近づけてね、こうしてわたしがするみたいに舐めてごらんなさい」
 そう言って良美は亀頭に赤い舌を押し付け、まるでキャンディーでも舐めるようにペロペロと舌を動かした。
「簡単でしょ。やってみて」
「え、ええ。うん……」
 右手で竿部分を押さえ、眉をひそませ目を細めて恐々と顔を近づける。ムワッとした匂いが鼻を突いて思わず顔をそむける。それでも良美にバカにされたくない一心で我慢して、少しだけ伸ばした舌先をほのかにくっつけた。チリリとするような痺れがあった。舌をさらに出して表面をピトッと押し当ててみる。ヒリヒリする感触だ。そのままゆっくりペロペロと舐めて、茜はキョトンとした瞳で、どうかな? と良美の顔色を窺った。
「やればできるじゃない」と良美が褒めてくれた。
「ねえ、これじゃまでしょう。髪をね、手で押さえてこうするといいわよ。こういう仕草もね、男の人はとても喜ぶのよ」と良美は伸ばした手で茜のポニーテールの横の後れ毛を押さえて、美樹本にフェラチオをしている茜の表情がよく見えるようにする。
 美樹本は「いいよ。ああー、舌のザラザラした表面がすごく気持ちいい。動きはまだまだだけど、そのすっとんきょな表情がとくに最高だ」と唸るような声を上げた。さりげなく腕を下げて、スカートに包まれた茜のムッチリヒップを触りはじめる。
 慌てて茜は手を背中に回し美樹本の腕を払った。軽蔑するように「触らないでください」ときっぱりと拒んだ。さらに触ってきたのでスカートの腰元を大きく揺らして「やめてください」とキツメに言った。ムッチリとしたお尻でイヤイヤをする。美樹本はスカートのヒップラインを手でなぞって触って「茜ちゃんって意外とお尻が大きいね。ムチムチじゃないか」と耳元に囁いた。「ええっ!?」と茜の顔が赤くなった。
 ボリュームのあるハート型をしたお尻を全体的に触って尻肉を揉みほぐすようにモミモミとする。覆っていたプリーツスカートをハラリとめくった。よくこれだけ大きな物体がこんなに小さい布切れに収まるものだと感心せずにはいられないほど伸びきった白いシンプルなコットンショーツ。プリンプリンとした迫力のある茜のヒップが顔を出して、まるで電車で痴漢するようにいやらしく触った。
「やっぱり白だね。茜ちゃんのイメージにぴったりだよ。悪いけどさ、もっと唾を垂らしてくれるかな。そのほうが滑りが良くなるだろ。それとさっきしてたみたいに手でシコシコしながらしゃぶってくれるかな」
「そんなことより手をどけて」
「いいからさ、頼むよ」
 茜は片手を後ろに回してスカートを下げようとする。どうしてそんなことをと憤慨しつつ視線を動かすと、良美は口元を微かに笑わせて「そのほうがいいわよ」と告げるようにうなずいていた。
 茜はまるで雪の降る夜に吐く息にも似たため息をした。この場はスカートを下げるのを諦める。資金繰りに行き詰った老舗旅館の若い美人女将のような表情で視線を伏せて、口の中から唾液を集め、まるで蚕が糸を紡ぐようにチュッチュッと丹念に吐きかけた。ジュチュ、チュッ、ジュチュルル。まだ足りないかな? と思いつつ舌と唇を使ってさらに大量の唾液を吐きかける。もう一度吐きかける。そうして自分の吐きかけた唾液を指先に絡めて摩擦して、ヌチャヌチャ、グチャグチャと(いやだもう、すごくいやらしい音がするわ)と茜は気が遠くなるような恥ずかしさに思わず身震いをした。
 こんなこと本当はしちゃいけないのに、間違っているのに、といった伏し目がちな視線で亀頭部分をアイスキャンディーのようにペロチロと舐める。そうして顔を横に倒して傾け、清純な黒髪のポニーテールとリボンを美樹本のまたぐらに斜めに垂らし、唇で亀頭を横から挟むように軽く咥えた。良美がしていたようにハムハムと唇で挟んで刺激する。その周囲に舌をチロチロ這わせ、これでいいのかなと尋ねるように再び視線を良美に向けた。良美はペニスの根元部分にある陰嚢を舐めていた。
(すごい、良美。そんなところまで舐めてるっ!?)と茜は目を丸くした。
 良美は器用に舌先と唇で毛むくじゃらな陰毛をかき分け、舌に陰嚢を乗せてネロネロとあやしたり平然と転がしたりしている。中央にあるつなぎ目のような部分に唾液の道筋をジグザグ模様に描く。茜と目が合うとしわくちゃな陰嚢に愛しげなキスをしながらウットリとした表情で「茜も一緒にここを舐めましょう」と誘った。
「男の人はね、ここも感じるのよ」
「ウソ。知らなかった。ホントに?」
「本当よ。すごく簡単。わたし茜にもしてほしいの。わたしたち友達でしょ?」
「う、うん……。そう、ね……」
 友達と言われれば否定のしようもない。茜はうなずいて亀頭から唇を離し、顔を下へと動かして耳元の後れ毛を指先で軽くかき上げ、良美が左側の陰嚢、茜が右側の陰嚢を舐めることになった。
 唇を押し当てるだけのキスをする。そのブヨブヨとしたある種異様な感触に茜は驚いた。唇にはチクチクとした陰毛の感触がある。少しだけ出した舌先で陰嚢に触れるとブヨブヨとした中でなにか硬い浮遊物がコロコロと転がっている感触があった。陰嚢のしわを逆立てるように舐める。
「ハム、チュッ、レロ。どう、美味しい?」
「アウッ、ゥゥ、ハウッ、び、微妙……」
「チュウ、チュゥゥ……そのうち美味しいって思うようになるわよ。わたしもそうだったの。やってみるとフェラチオなんて簡単でしょ?」
「ハムゥ、アウ、レロレロ……う、うん……そう、かな……」
「もっと舌を突き出しなさい。チュ、チュウゥ……いいわ。その調子よ、茜。あんっ。舌が当たってる」
「チュパ。ンチュッ、ぅぁ……そ、そうね……」
「すごくドキドキしてるでしょ。顔が真っ赤よ」
「ウムゥ、アアっ。やだ。良美の舌、わたしの口の中に入ってるわ」
 小さい波紋と大きな波紋の2つが重なる。ついに茜と良美は深いキスをした。
 茜は長い睫毛を閉じ合わせ舌を受け入れ、唇と唇をチュッチュッと合わせていた。良美の指先が茜の頬から首筋、うなじへとすべる。顔を斜めにして唇を重ね舌を動かし、茜は次第にフェラチオ奉仕のことを忘れ良美との甘いレズキスに心を奪われていった。後ろに回り込んだ美樹本の指先がコットンショーツの上からクロッチ部分を触りだしても茜はピクリと体を動かしただけだ。薄い布地越しにスリットをスリスリと刺激される。

 美樹本は「感激だな。これだけの美少女同士のディープキスとなるとなかなか見れない。2人ともとてもセクシーだよ。それより熱中しすぎて僕のこと忘れないでくれよ」と上機嫌に笑った。左手で小ぶりな良美のヒップを、右手でムッチリとした肉厚と丸みのある茜のヒップをそれぞれタッチしている。
 指をクロッチの中心にある柔らかい肉に浅くめり込ませると、レズキスを終えた茜がギョッとして慌てて手を後ろに伸ばして制服のスカートを押し下げた。キッとした目で見上げ「やめてくだい。怒りますよ」と言った。
 すかさず良美が「すごく上手よ、茜。やっぱり勉強ができると飲み込みが早いみたい。それに表情もいつもより断然大人っぽかったわよ。美樹本さんとても気持ちいいみたい」と茜の意識を自分のほうに向けさせようとする。
「まったく良美ちゃんの言う通りさ。才能があるんじゃないのかい、おしゃぶりの。ほんと夢みたいだよ。ミス青葉台におしゃぶりしてもらえるなんて。バージンなんだろ。男冥利に尽きるね。こんな美人な処女の女子高生におしゃぶりしてもらえるなんてさ」
「そういえば、バージンでフェラチオってなんだか進んでるわね。ねえ、わたしがファーストキスの相手になるのかな、茜の。ファーストキスとフェラチオが同時なんてあんまりいないわよ。学校でもあんただけなんじゃない」
 茜は取り出したハンカチで口元をぬぐい「ひどい」と泣きそうな声で言った。瞳をウルッと潤ませる。まるで自分1人がいけない女子高生のように聞こえたからだ。悲しくなって辛くなって、ここがだれもいない自分の部屋なら本当に泣きそうだった。
「おいおい。友達なんだからあんまりいじめたりしたらダメだろ」
 美樹本が茜の背中を優しくさすって慰める。今度は堂々と茜のスカートをめくってムッチリとしたヒップをグイと掴んだ。悲しくなった茜が慰められて抵抗し辛いのを計算して、青葉台高校全男子憧れの的であるブルマーヒップを思い通りに触って揉みほぐす。先ほど軽く刺激した性器に触れると揃えた2本の指先をスリットに沿って縦にあてがい、上下にこすってクチュクチュと小さな音をさせた。クチュクチュと微かに茜の性器から濡れた音が聞こえていた。
 驚いた茜は長い眉を悩ましく弛ませ、腰を控え気味に左右にくねらせ「お願いです。そこは触らないでください」と懇願して言った。
「ダメよ、そうやってすぐに甘やかしちゃ。茜って甘えるのがうまいんだから」
 先ほどのレズキスから手の平を返したように良美は茜に冷たくあたる。
「それにひどくなんてないわよ。するって言ったのは本人なんだし。次はさっきわたしがしてたみたいに口全体を使ってフェラチオよ。わたしが下のほう舐めてあげるから、茜は口に咥えなさい。美樹本さんは茜が初めてだからって遠慮しないでたっぷり濃いザーメンを吐き出しちゃってね。この子に男の人の味をちゃんと教えてあげちゃって。あの喉に絡まる青臭いザーメンを飲んだら茜もきっと子供みたいなこと言わなくなるはずよ」とウィンクをした。ともすれば逃げ出しそうな茜に矢継ぎ早に指示を出して、自分はソファーを降りて美樹本のまたぐらに膝を着いた。
 茜は右往左往の混乱状態だ。口元に軽く曲げた指先を当ててオロオロとし、祈るように小さなミラーボールを眺め、ポニーテールと黄色いリボンを心細そうに揺らす。
 良美にあごで指示をされ、しかたなく顔を近づけた。肩を小刻みに震わせながらまぶたをギュッときつく閉じると、桜色の唇を恐々と開けて両手の指先は美樹本の脚に置いていた。すべてが未体験ですべてがおっかなびっくりだった。
 唇にツルンとした亀頭が触れた。ズルっとそのまま口に入ってきてフガフガとあごの関節が限界まで広がる。「ンムゥ、ハゥゥ」と早くも目じりに涙をためて死に物狂いに鼻で息をした。苦しくて辛くてもうこれ以上口に入らないと首を左右に振って泣きを入れる。本当に死にそうだった。
「ンンッ、ンー、ンーー!!」
 どうしてなのだろう。美樹本の手が茜のポニーテールの根っこを掴んだ。もう片方の手も茜の後頭部に添えて「ごめんね、その顔を見てたらすごく興奮しちゃった。もう我慢できないんだ。すぐ終わるから我慢して。そうしたら大人のザーメンを飲ませてあげる」と言った。
 茜は驚愕するしかない。「ええ??」と目を白黒させて、後頭部を力で押さえつけられ喉の奥までペニスを一気にねじ込まれた。ズブン! と喉の一番奥が突き破れそうで、すぐにオエッとしたおう吐感がこみ上げてきた。焦点のずれた瞳からどうにか押しとどめていた涙を、ポロリ、ポロリ、流した。口奥にペニスを突き込まれたままオエッという表情をした。
「オエッ……ウウッ……ムウウウ!!」
 胃の中の物が逆流をはじめる。茜はとっさに顔を上げて口からペニスを吐き出そうとした。しかしポニーテールを掴まれ後頭部を押さえられていたのではどうすることもできない。それどころか美樹本は茜のポニーテールを引っ張ったり押さえつけたり、同時に腰を動かして喉元にペニスを何度も激しく突き込んでくるありさまだ。力任せに押さえつけられ根元まで咥えさせられ、喉の一番奥に美樹本のペニスがゴリゴリと当たっている感触があった。
 良美はおかしそうにクスクスと笑っていた。
「そのオエッっていう表情最高よ。真面目なあんたがそんな表情するなんて最高におかしいわ」
 ポケットからカメラつき携帯を取り出して茜に向ける。「記念に撮ってあげるわよ、その顔。茜の初フェラチオだもの、一生の記念になるわよ、きっと」と言った。
「ほら茜。ピースしなさいよ。あなたピースが得意でしょ」
 茜はもうなにがなんだか分からなかった。どうして学校帰りのカラオケルームで、どうしてフェラチオをして、どうしてピースサインをして、どうして撮影されなくてはならないのか。とにかく早く終わってほしかった。辛くて苦しくて悲しくて、早く終わらせて家に帰りたいと思っていた。
 それでもやはり良美は茜の友達で、もとはといえば自分のつまらない意地が発端となってフェラチオがはじまったこともあって、茜は携帯のレンズに向って力なくピースサインをした。制服姿のまま男の脚に涙目になった顔を横向きに乗せ、口にペニスを咥えて泣きそうな気持ちでピースサインした。それがいままでに茜が経験した一番悲しいピースサインだった。
感想を送る
1
<< 前へ   目次   次へ >>
© 2014 pncr このサイト上にある画像・文章の複製・転載はご遠慮ください。
since 2003 aoikobeya 問い合わせ